農業研究本部

深耕の労力に及ぼす効果

山本 晃一

北海道立農試集報.3,46-52 (1958)

1.人力の場合普通耕を継続実施した場合にくらべると、初めての深耕から耕起作業を初め、整地、播種、中耕除草の所要労力は減少する。畜力は耕起時間は多くなるが、その他の前記諸作業は減少する。毎年深耕を継続することによって人力、畜力ともこれら作業の所要時間はさらに減少する。また深耕跡地の普通耕も普通耕だけの場合よりも所要労力は減少する。
2.深耕の継続と深耕面積の拡大によって春耕期の耕起、整地、播種作業による労働ピークは解消され、また中耕除草労力も減少する。これらが以後の作業にも連鎖的な効果を及ぼして労働の配分状況も良好となる。
3.土壌管理の上から深耕の推進には堆厩肥の増施が伴なわなければならないが、労力の面からみても堆厩肥の増投は深耕の労力的効果を高めるものである。
4.深耕の継続によって以上の諸作業の所要労力が減少することは、土壌物理性の調査によっても裏付けされる。


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