農業研究本部

根釧地方火山灰地における牧草地土壌の理化学的特性とその施肥法に関する試験
第7報 放牧用牧草の施肥法について

早川 康夫、橋本 久夫

北海道立農試集報.10,42-58 (1963)

 根釧地方火山灰地の開墾年次の古い畑における放牧用牧草地の施肥法試験を行なっ た。その結果は概略次のとおりであった。 

1.2年目前半までは、ラデノクロバーもメドーフェスクも燐酸と窒素の効果が大き く、肥料利用上共通した特性があった。しかしこれ以降においては、窒素の施用 によってラデノクロバーには減収となり、メドーフェスクの増収には不可欠とな り、効果が相反するようになる。また加里吸収についても、ラデノクロバーとメ ドーフェスクの競合が激しくなる。
2.放牧用牧草地として、両者を混播利用する場合2年目前半までは好適な比率で混 生させることは難しくないが、これ以降は施肥によって混生割合が大きく変化する。ラデノクロバーが優占したら窒素を加え抑制し、衰えたら窒素を控え加里を 増施する。
3.栄養的バランスのとれた生草を飼給するために、マメ科とイネ科を混播利用する が、このほかに蛋白含量の高い若刈りイネ科に窒素肥料を多用してもよい。この 場合肥料代は嵩るが鼓張症は防止できる。


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