農業研究本部

根釧地方の牧野改良
第1報 天然牧野の生産力について

早川 康夫、橋本 久夫

北海道立農試集報.10,59-75 (1963)

 根釧地方の天然牧野のうち未放牧地と過放牧地とを選定し草生調査、栄養生産性、 養分収奪量を比較し、またこれを耕起して肥科3要素試験を行ない収量を比較した。 

1.過放牧牧野では可食草の衰退が著しく、ワラビ、スゲ、エゾイチゴなどの不食草 が残存優勢化した。これは家畜の嗜好に適した野草が少なく、しかも若い時期から選択採食される上に、再生力が弱いためで、高い牧養力を持つためには牧草を 導入する集約牧野に改良すべきである。
2.以上のような可食草の衰退は過放牧による草生荒廃が主たる原因で、地力は未だ 温存されており、従って過放牧牧野を耕起して牧草を栽培した場合、未放牧優良 草地に遜色のない収量が得られた。


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