農業研究本部

根釧地方の牧野改良
第2報 牧野に堆積する植物遺体、腐朽物質とこれが草地造成に及ぼす影響

早川 康夫、橋本 久夫

北海道立農試集報.12,23-36 (1963)

 牧野地表面には植物遺体や腐朽物質が堆積しているが、この厚さは構成植物の茎葉 や根など有機物生産量と分解量の差であって、分解量は気温湿度のほかに構成植物組 成の炭素率に影響されることが大きい。一般に植物遺体、腐朽物質は多孔性繊維質が 多いので、有効水に乏しく水の移動速度もおそく種子発芽に際する給水能力が低い。 従って起土を行なわずに簡易な手段で草地造成を行なうには表層掻乱、火入れなどを 行ない鉱質土壌面を露出させる必要がある。


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