農業研究本部

北海道におけるアカザモグリハナバエの生活史に関する研究
第5報 周年経過の地域的相違について

木村 宏、奥 俊夫、堀田 豊

北海道立農試集報.14,97-104 (1964)

 アカザモグリハナバエは1929年北海道において初めて存在が確認され、1940年ころ よりてん菜に対する加害が見られるようになった。その時の被害は僅少に止まっていたが、近年道北部および東部に著しい被害の増大がみられ、年を追ってその被害面積 は拡大し現在ではほとんど全道に及んでてん菜の大害虫の1つと目されている。本種 の発生様相についてすでに若干の報告をしてきたが、ここではまだ検討すべき問題を 残してはいるが、一応現在までの知見を総括して本種の発生様相の地域的差異を発育有効積算温度と休眠限界日長期とから論じ、作物の栽培時期と本種の発生期の同時性のもつ意義について若干の論議を試みた。


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