農業研究本部

根釧地方の牧野改良
第4報 放牧による土壌成分の偏倚

早川 康夫、奥村 純一

北海道立農試集報.14,47-55 (1964)

 放牧に使用している牧野の生産力の低下は、無計画な利用によって植生が衰退する ためであるが、このほかに放牧によって、土壌中の成分が偏倚することにもよると思 う。  この点について調査した結果、偏倚性が大きいのは加里および窒素であった。すな わち、地力が一定放牧地区外へ逸散する可能性が少ないので圃場全体としての土壌の 成分含量は温存されているが、放牧家畜の糞尿還元によって前述の加里、窒素が局部 的に集積するため、大部分の地域が欠乏し、従って草生の悪化が促進されるものであ ろう。


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