農業研究本部

北海道におけるアカザモグリハナバエの生活史に関する研究
第4報 活動におよぼす気象の影響

木村 宏、奥 俊夫

北海道立農試集報.9,1-7 (1962)

 札幌市においてアカザモグリハナバエの成虫ならびに幼虫の活動に対する気象条件 の影響について実験および野外調査を行ない、次の結果を得た。 

1.温度反応に関する実験の結果、成虫の飛翔は15℃~30℃内外で正常であり、 幼虫の歩行は8℃~30℃内外で正常に行なわれ、それ以外の温度ではこれらの 活動は行なわれないか、または明らかに異常を示した。
2.野外における産卵は日最高気温が15℃前後の場合、多照の日には認められたが、 寡照の日には非常に減少した。
3.日中に長期にわたる強雨があった日には産卵は阻害されたが、温度が好適であれ ば微雨中でも産卵は行なわれた。
4.1化期の産卵消長は温度条件によって著しい影響をうけるが、2化期以降の夏世 代では産卵消長に対する温度の影響はより小であると思われる。
5.温度条件は本種の発生量に対してある程度直接的な影響を与える可能性がある。


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