農業研究本部

ルタバガの軟腐病抵抗性育種に関する試験
第4報 軟腐病抵抗性検定法としての切離組織に対する人為接種法の検討

佐久間 智工

北海道立農試集報.21,6-16 (1970)

 ルタバガの切離組織への人為接種によって生じた腐敗量と品種との関係について考 察し、人為接種による軟腐病抵抗性検定法確立のための一助にしようとした。  はじめに供試部位の選定を行ない、さらにルタバガ26品種を供試、検討した結果、 品種間には、顕著な腐敗量の差異が認められた。  葉柄および根肉それぞの腐敗量に関する品種間差異については、近縁品種相互間に おいては近似した価が測定されたので、このような手法によって示される特性が、遺 伝的な特性の1つであるものと推論した。  ほ場における軟腐病り病性に差異が認められている主要な3品種を素材とした切離 葉柄および根肉への接種試験を行なった結果、接種後一定時間経過後の腐敗量の差異 は、切離葉柄で、ほ場における抵抗性の序列と平行して示された。  軟腐病抵抗性検定のための1手段として、当面、葉柄を供試するのが適当である。 根肉の腐敗量でも品種間差異は明らかだったが、ほ場における抵抗性との関連性を指 摘することはできなかった。


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