北海道における植物細菌病
2 Erwinia chrysanthemi BURKHOLDER et al.(Pectobacterium carotvorum ver.chrysanthemi)によるジャガイモの萎凋細菌病
谷井 昭夫、馬場 徹代
北海道立農試集報.24,1-10 (1971)
1969年、八雲町で原種栽培のジャガイモに茎維管束部の褐変、茎髄部の消失と茎葉萎凋、および新塊茎維管束部の褐変を伴った1種の細菌病が発生した。 1970年にこれら罹病株から得た塊茎を播種したほ場で、同じ病状が発生したので、 罹病茎および新塊茎の維管束部から病原細菌の分離を行なった結果、Erwinia chrysanthemi BURKHOLDER et al.(Pectobacterium carotovorum Var. chrysanthemi)、E.carotovora (JONES) HOLLAND.(P.c.Var.carotovora)と同定 される2種の細菌得た。それぞれについて接種試験の結果、本症状の病原はE.chrysanthemiであることがわかった。同菌の寄生植物として、キク、カーネーション、philodendronなどがあるが、ジャガイモを自然で侵す記録ははじめてである。病名を萎 凋細菌病、Bacterial stem rotとする。
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