農業研究本部

リンゴ腐らん病研究における切枝接種法

田村 修、斎藤 泉、高桑 亮、馬場 徹代

北海道立農試集報.26,80-87 (1973)

 リンゴ腐らん病の発生生態は種々の要因によって支配され、複雑であるがそれぞれの要因の影響を的確に把握するため単純な系としてのりんご切枝接種法を検討した。  切枝でも、各種の菌に対する反応を保っていること、生組織に隣接する死組織がな ければ侵入困難であること、さらには高温で枝の活性が高まり耐病性となる現象などがほ場観察と一致することから、本病の発生条件の解明に当たって切枝を用いた室内試験が有効であると考えられる。なお、これに付随した接種条件の検討では切枝の状態、特に枝齢の相違、樹皮水分の過不足によって病斑の進展が影響されることが明らかとなった。


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