農業研究本部

水田土壌中におけるカドミウムの挙動
第1報 CdSの可溶化に及ぼす要因

皆川 勝、鎌田 賢一

北海道立農試集報.27,65-76 (1973)

 汚染水田の土壌中におけるCdの形態を予測するため、各種Cd化合物を土壌に 添加し、Eh条件を異にする場合の可溶Cd量とその変化について検討した。  その結果、水田土壌中では大半がCdSとして存在するものと推定された。CdS は、水にはもちろん希酸にも難溶であるが、土壌に添加した場合、添加直後においても土壌の種類によって可溶量に著しい差があり、CdS試薬の溶解量を大幅に上まわるものが多い。一方CdSの溶解は、Fe3+の共存下では著しく促進されることが 認められた。また添加土壌からの溶出Cd量は、Cdの抽出時に共存するFe3+量 と高い相関を示した。


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