農業研究本部

ジャガイモ黒脚病の伝播様式

尾崎 政春、谷井 昭夫、馬場 徹代、土屋 貞夫

北海道立農試集報.28,62-69 (1973)

 ジャガイモ黒脚病菌の生態的特性を明らかにし、本病の防除方法の確立に資するた めその伝播様式に関する性質を検討した。  本病多発生ほ場産の塊茎およびErwinia atroseptica(Van HALL)JENNISONを接種した塊茎を植えると、高率に黒脚病が発生する。また、接種塊茎を切断した切断刀で 健全塊茎を切断すると、病原細菌は健全塊茎に感染し、人為的にほ場で黒脚病を発生 させることができることから、この病原細菌は塊茎伝播のほか、切断刀の接触感染に よる伝播をすることが明らかとなった。また一方、前年に多発生したほ場でも健全塊 茎を植えると本病は発生しなかった。それゆえ、ジャガイモ黒脚病の防除の原則は健 全塊茎の植え付けとり病塊茎の処分にあるといえる。


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