農業研究本部

ニンジン収穫機の適応性

島田 実幸

北海道立農試集報.30,103-112 (1974)

 ニンジン収穫機の性能を調査し、その適応性を検討した。  所要動力は10馬力程度であるが、余裕馬力を考慮すると、牽引トラクターは40 馬力は必要である。  生食用ニンジンの収穫については茎葉を切断する際に肩部にすり傷がつき、又、茎 葉の切断残りが長く、現在の市場流通には不向きな状態であった。又、葉柄着生部か ら冠部がえぐり取られる場合が多いことも今後に問題を残した。  一方、加工用ニンジンの収穫については栽植密度が高いために茎葉が弱く、すり傷 は13~29%と少なく、えぐり傷はほとんど生じなかった。引抜残しは数%におさ えることができ、加工用収穫機として十分に利用できる見通しを得た。  作業能率は3~4a/hrであったが、畦幅を40㎝程度にすると、5a/hrまで能率を 高めることができる。貯蔵試験については45日間で重量減少率が16~18%と多少 多かったが、収縮度、軟化度は僅少であり、加工用ニンジンとして供し得る品質を保 持した。


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