農業研究本部

大豆のダイズシストセンチュウ抵抗性個体選抜の一方法  -半根法-

酒井 真次、斎藤 正隆、砂田 喜与志

北海道立農試集報.32,18-24 (1975)

 大豆のダイズシストセンチュウに対する「PI」系の強度抵抗性品種の育成を目標と する初期世代の抵抗性個体選抜方法として、大豆を立毛状態のまま、板の半分を掘り とり抵抗性検定を行なう方法を試みた。  この方法は、半根切除による採種量の減少が比較的少ないので、後代種子を十分得 られる長所をもっている。なお、調査した半根と立毛のまま残っている半根のシスト 着生程度をくらべたところ、シスト非着生の場合によく一致した。この方法を用いて 抵抗性個体を選抜する方法については、つぎのように考えられる。  「PI」系抵抗性品種と感受性品種の組合せの場合は、シスト非着生個体の発現頻度 が低いので、シスト着生個体とシストが若干着生する個体を選抜した方が効率よく、 また「PI」系抵抗性品種と「下田不知」系抵抗性品種の組合せの場合は、前者よりシ スト非着生個体の発現頻度が高いので、主としてシスト非着生個体を選抜した方が効 率的であると考えられる。


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