農業研究本部

混播牧草の集団構成に関する研究
7 主体イネ科草種を異にした混播草地における構成草種間の相互関係

脇本 隆、堤 光昭、吉良 賢二

北海道立農試集報.32,25-34 (1975)

 主体イネ科草種要因のチモシー、オーチャードグラスおよびメドウフェスクのそれ ぞれとラジノクローバからなる基本草種にイタリアンライグラス要因(混播および無混 播)およびアカクローパ要因(レッドヘッドおよびアルタスエード)を組み合わせた。構 成草種(雑草を含む)に対する各草種要因の効果を検討した。 

1.チモシー主体区にイタリアンライグラスおよびレッドヘッドを同時に組み合わせ る時は基本草種に対する抑圧が著しく、チモシーの主体性が確立されないままに レッドトップを主とするイネ科雑草の優勢な状態に変った。イタリアンライグラ ス無混播でアルタスエードを組み合わせた時は、チモシーの主体性が維持された が、それでも4~5年次にはイネ科雑草が優勢となった。
2.オーチャードグラス区では基本草種はイタリアンライグラスおよびレッドヘッド によって初期年次にある程度抑圧されたが、3年次以降はその程度が小さくなっ た。オーチャードグラスはイネ科雑草の混生を著しく抑圧した。
3.メドウフェスク主体区ではイタリアンライグラスの混播は結果的には有利であっ た。メドウフェスクはラジノクローバとの両立性が高かったが、アカクローバを 抑圧した。イネ科雑草の侵入程度は前二者の中間であった。


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