農業研究本部

ダイズ矮化病抵抗性の育種的研究
1.抵抗性の品種間差異

谷村 吉光、玉田 哲男

北海道立農試集報.35,8-17 (1976)

 1971年から1975年、主要大豆品種についてほ場検定を行なった結果、発病率、発病 度に品種間差異および年次間差異が認められた。  発病度と収量とは密接な関係にあり、発病度の増加に比例して子実重は減少した。 また、各品種の発病率と発病度にも高い相関が認められた。  一方、接種検定の結果、ウィルス系統に対する反応に品種間差がみられ、各品種い ずれも矮化系統より黄化系統、弱毒系統より強毒系統による被害が大きかった。また 一般に強い発病症状を示す品種ほどウィルスに対する発病率が高く、病徴の強さと被 害との間にも密接な関係が認められた。この傾向はほ場検定の結果とほば一致してい た。  以上の結果、「黄宝珠」「Adams」「Peking」は比較的抵抗性、「白鶴の子」「コ ガネジロ」「ユウヅル」は比較的感受性と判定された。ほ場検定における発病度と接 種検定における病徴の程度は今後の抵抗性検定のための判定基準として有効と考えら れた。


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