農業研究本部

施肥並びに土壌水分条件が春播タマネギの生育・収量・貯蔵性に及ぼす影響
1 土壌水分及び窒素用量が生育・収量に及ばす影響

相馬 暁、岩渕 晴郎、平井 義孝、多賀 辰義

北海道立農試集報.35,42-52(1976)

 タマネギ畑では、(窒素)施肥量と水分条件が土壌中養分存在量をきめ、その養分量が生育前半の土壌のEC値によく反映し、窒素施肥量が多いほど高く、多水分条件ほど低かった。EC値の上昇は生育初期~外葉発育期の草丈(栄養生長量)を抑え、草丈が抑制されたものほど腐敗・欠株が多く、そのため規格内球数が減少し、収量低下となった。 一方、養分存在量と水分条件によってタマネギの養水分吸収が左右され、多肥(窒素)条件下では、窒素吸収の増大は相対的に燐酸・加里濃度の低下をもたらし、生育に抑制的に働らき、球肥大をも劣化させた。そのためL球率が低下し、規格外小球の増加による規格内球数の減少と相俟って、収量低下につながった。 また、多水分条件では、燐酸・加里の吸収が相対的に促進され、旺盛な栄養生長をもたらした。なお球肥大始めあるいは倒伏始めの栄養生長量(草丈・乾物重)が多いものほど良好な球肥大を示し、収量向上につながった。


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