農業研究本部

チューリップヒゲナガアブラムシの繁殖におよぽす温度の影響

梶野洋一

北海道立農試集報.35,64-69 (1976)

 チューリップヒゲナガアブラムシ、Macrosiphumeuphorbiae(THOMAS)の繁殖と温度 との関係について実験をおこなった。 幼虫の発育所要日数は10~25℃の温度範囲では、温度の上昇にともなって短縮する が、30℃では成虫になる個体はみられなかった。 温度と発育速度との間には直線関係がみられ、発育下限温度および有効積算温度は 無翅型で3.6℃、131.0日度、有翅型で3.3℃、160.3日度であった。成虫の生存期間お よび産子期間は低温ほど長びき、無翅胎生雌より有翅胎生雌の方が長かった。産子数 は20℃で最も多く、20℃を境にして低温、高温で減少し、有翅胎生雌の方が少ない傾 向であった。 以上の実験結果から、本種の繁殖に好適な温度条件は20℃前後と推定される。


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