農業研究本部

トマトの生育・品質におよぼす環境要因の影響
3 水分条件と窒素用量が生育・収量・異常果の発生に及ぼす影響

相馬 暁、岩渕 晴郎

北海道立農試集報.37,35-44 (1977)

 夏秋トマトに対する窒素用量3段階(半肥、標肥、倍肥)とかん水量3段階(少、中、 多)の3×3の組合せを枠試験で行った。  多かん水ほど養水分吸収か旺盛で生育初期から栄養生長が促進され、平均1果重が 最も大きく収量増加の原因となった。  倍肥系列では初期生育の抑制を受けるが比較的軽く、土壌中無機態窒素量が高く推 移し、生育後半の栄養生長が旺盛となり、総収穫果数、持に上位果房の着果数の増加 が収量増加をもたらした。  この傾向は標肥系列においてほぼ同じであるが、半肥系列では、生育後半の生育停 滞と著しい着果数の減少によって収量も低下した。収量は多かん水・倍肥処理区か最 も高く、一般的に窒素用量よりもかん水量の多少によってより大きく影響された。異 常果の発生については、栄養生長と結びついた果実肥大時の養水分吸収の抑制がアミ トマト(グスベリ状果)の原因であり、又着果数増大に伴う果房間の養水分競合か軟弱 果に関与しているものと思考した。


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