農業研究本部

粗粒火山性土におけるかん水点とメロンの生育について

元木 征治、黒川 春一

北海道立農試集報.37,56-67 (1977)

 駒ケ岳山麓の火山放出物未熟土で土壌水分条件を4処理(1;pF1.8~2.0、2;pF2.0 ~2.2、3;pF2.2~2.5、4;pF2.5~2.7)と果実肥大始期を変換期とする2処理(5;pF 2.0~2.2→pF2.5~2.7、6;pF2.5~2.7→pF2.0~2.2)の計6処理とし、その各処理で 高い方のpF値をかん水点としてメロンの生育反応を検頭した。  その結果、生育、収量は低pFかん水点処理ほど高いが、pF2.5までは大差なく体内的 影響も少なかった。pF2.7では急減し、養分吸収も抑制された。変換処理系列のPF2.7か ん水点処理期間にはいずれも養分吸収、生育の抑制があった。生育の前半は栄養生長 の確保、後半は生殖生長の促進にかんがいは必要で、そのかん水点はすくなくともpF 2.5、水分条件はpF2.2~2.5を維持すべきである。生育期別の水分管理により生育相、 収穫期移動の可能性が示された。低PFかん水点処理になるほど1回かんがい水量は減 少するが、かんがい回数が増し、かんがい労力の増大となる。  以上の検討から、生育、収量があまり低下せず、体内的影響も少なく、かつ、かん がい労力が少ない、pF2.5をかん水点とするのが実際営農上妥当であると結論した。


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