農業研究本部

小豆新品種「ハヤテショウズ」の育成について

村田 吉平、佐藤 久泰、成河 智明

北海道立農試集報.38,73-82 (1977)

 小豆「ハヤテショウズ」は早生、良質、多収の小豆品種の育成を目的として、1965 年に北海道立十勝農業試験場で「宝小豆」×「斑小粒系-1」の組合せにより交配を 行い選抜育成した早生多収品種である。F2で種皮色について選抜を行い、F3で個体 選抜をし、F5-F6で生産力検定予備試験に供試した。1972年、F7で「十育 85号」の系統名を付して生産力検定試験、特性検定試験、地域適応性検定試験、現 地試験を行った。  この結果、早生多収性か認められ、1975年6月農林省に新品種(あずき農林2号)と して登録され「ハヤテショウズ」と命名された。特性は、開花始が「茶殻早生」より 2~3日早く、成熟期は2~3日遅い。着莢数、主茎節数とも「茶殻早生」より多く、 不良気象条件下でも多収性を示し、また多肥、密植条件に対する適応性が高く、平年収量は「茶殻早生」より約20%多収である。  栽培適地は、北海道十勝、網走および上川地方である。


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