農業研究本部

菜豆新品種「改良虎豆」の育成について

及川 邦男、野村 信史、天野 洋一

北海道立農試集報.38,92-98 (1977)

 菜豆「改良虎豆」は、大粒、多収、良質を育種目標にして、北海道立中央農業試験 場において、1969年収集した胆振支庁管内洞爺村産の虎豆在来種から、純系分離法に よって選抜育成したものである。1974年から「中育T11号」の系統名を付して各種の 検定試験を行った。  その結果、着莢数が多く安定多収であることから、1977年3月、北海道の奨励品種 に採用された。主な特性はつぎのとおりである。  草丈約3mのつる性晩生種で、花は微紅色を帯びた白色で、種皮色は白地に臍の周 囲に淡肉色地とその中に赤褐色の斑紋がある。粒の大きさは「虎豆」とほぽ等しく大 粒である。その他の一般性伏、熟期などは「虎豆」とほとんど変らない。収量は着莢 数が多いため「虎豆」より20%程度多収である。品質良好で煮豆の原料に適する。  栽培適地は胆振地方を中心とした道央部で、従来の品種「虎豆」をこれにおきかえる。


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