農業研究本部

春播きタマネギ「札幌黄」の在来系統の耐病性について

宮浦 邦晃、品田 裕二

北海道立農試集報.41,57-66 (1979)

 「札幌黄」の耐病性について、他品種との比較を行うとともに、各在来系統間およ び系統内変異を検討し、耐病性育種の素材としての評価を与えた。  北見地方の在来系統とその起源である道央地方の在来系統との比較では、北見地方 の系統の方が比較的軟腐病に強く、乾腐病に弱い傾向が認められた。  本州産および米国産品種との比較では、「札幌黄」は、中程度の耐病性を示した。 「札幌黄」在来系統から得た自殖第1代において、病害による腐敗率に関する変異が 著しく大きかったことから、耐病性に関して「札幌黄」の在来系統内変異の大きいこ とが推察された。また、供試した在来系統によって異なったが、耐病性に著しく劣る 自殖第1代系統を淘汰することで自殖第2代の耐病性が向上した。  以上の結果から、「札幌黄」を耐病性育種の素材として十分利用し得ることが推察 された。


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