農業研究本部

トウモロコシ耐倒伏性の簡易検定法

櫛引 英男

北海道立農試集報.42,21-27 (1979)

 トウモロコシの耐倒伏性の検定にはいくつかあるが、いずれも実用性に難点があり ほとんど利用されていない。そこで、「引倒し法」を考案し、1967年から育種上に利 用してきた。  この方法は、雄穂の首部を掴んで弧を描くように地表に向けて引倒し、地表近くで 離し、この過程およびその後の復元状態を4~5のパタンに区分し、それによって材 料の耐倒伏性を評価するものである。  この方法による材料の評価は実際の倒伏発生程度とよく全致した。また、検定パタ ーンは遺伝的に相加的で、耕とそのF1の関係をうまく説明できた。 耐倒伏性の強い交雑品種「ワセホマレ」の構成自殖系統「To15」は「引倒し法」によ って選抜育成され、また、他の3自殖系統も簡便かつ有効に評価された。


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