農業研究本部

牧草の周年栄養生理と肥培管理に関する研究
第3報 越冬前後の肥培管理が2番草生育に及ぼす影響

坂本 宣崇、奥村 純一

北海道立農試集報.43,12-23 (1980)

 オーチャードグラス草地において、1番草収量を高めるため、前年秋の最終刈取り時期、秋施肥および早春施肥などいわゆる越冬前後の肥培管理を実施した。  1番草収量について、これを構成する有穂茎数との関係をみると、両者は高い正の相関を示した。この有穂茎は刈取り後は再生しないから、1番草を有穂茎数増によって多収することが、2番草生育に負の影響を及ぼすことが懸念された。  しかし、2番草の再生および収量は有穂茎数との間に有意な相関関係は存在せず、1番草刈取り時の無穂茎刈株の全窒素濃度に比例して増加した。  この理由は一般に再生に影響する要因とされる再生茎数、刈株の全有効態炭水化物などが前述したいずれの処理においても十分量存在していたことによると思われた。


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