農業研究本部

アスパラガスの生産に及ぼす環境要因の解析
第1報 若茎収穫期間の長短と貯蔵根中の炭水化物濃度及び収量

多賀 辰義、岩渕 晴郎、山吹 一芳、佐藤 滋樹

北海道立農試集報.43,63-71 (1980)

 アスパラガスの若茎収量は、前年の茎葉生育を反映した貯蔵根量と根の充実度つまり、同化産物蓄積量に支配される。  そこで、適正な収穫期間を検討するため、収穫期間の長短と貯蔵根中の炭水化物(全糖を中心に)の消長との関連を調査した。  その結果、標準(60日連年)収穫区では連年安定した収量がえられ、この場合根中の全糖濃度推移(対乾物)は萌芽開始50.7%、収穫打切期41.0%および晩秋59.6%であった。  これに対し、収穫休止後の隔年収穫区では全糖濃度は高く推移し、翌年の初期収量は持に多く、全収量も30%増収した。  一方、長期(75日連年)収穫は収穫開始による糖濃度の低下が急速で、収量も年次的に減少し、同時に、商品化率の低下を招き、3年目収量は標準区の半分以下となった。そこで、収穫打切期等の目やすとなる根中の糖濃度推移を知る簡易法として、貯蔵根汁よる簡易屈析糖度計のBrix値が利用可能なことを明らかにした。


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