農業研究本部

網走地方における秋播小麦の生育、収量に及ぼす播種量と窒素施用量の影響

下野 勝昭、大崎 亥佐雄

北海道立農試集報.44,12-24 (1980)

 播種量増とN施用量増とによって倒状が増大した1977年(播種年度)は、N増施による増収効果が認められず、N施用量平均でみると、播種量111粒/㎡区の収量が最高となった。  一方、小麦栽培にとって好適な気象条件で経過した1978年(播種年度)は、N増施で顕著に増収するが、111~700/㎡の播種量間に収量差はほとんど認められなかった。  以上の結果から、気象条件、生育条件の相違やN施用量の多少にかかわらず、両年とも、播種量111粒/㎡区が最も安定した子実収量を示したといえる。また、これ以上の播種量になると、倒状しやすくなり、収量も頭うちか、条件によっては、減収する場合さえあることが明らかになった。  したがって、網走地方では、30㎝畔巾で適期播種と雪腐病防除が徹底して行われるならば播種量は現行の標準量350粒/㎡程度)よりも少なくてよいと結論できる


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