農業研究本部

北海道道央地区における野菜栽培土壌のの実態とその問題点について

相馬 暁、多賀 辰義、石井 忠雄、平井 義孝、岩渕 晴郎

北海道立農試集報.44,25-36 (1980)

 道央の沖積土壌、重粘性土壌、火山性土壌において、一般畑作畑、一般野菜畑、連作野莱畑(アスパラガス畑及びタマネ畑)など作付様式の相違に基づく、養分蓄積状況を塩基飽和度及ひTruog-P2O2量を中心に検討した。  その結果、全体的には、塩基飽和度はタマネギ畑〉一般野菜畑〉アスパラガス畑〉一般畑作畑の順に高まっていた。  一方、Truog-P2O5で示されるP蓄積はタマネギ畑〉アスパラガス畑〉一般野菜畑〉一般畑作畑の順に進んでいた。また、同じタマネギ畑でもタマネギ栽培年数の増加につれ、塩基飽和度が高まり、P蓄積も進んでいた。  すなわち、各土壌において作付様式及び栽培年数に基づき、一定方向の肥沃化・富栄養化が生じていた。そのような養分蓄積・肥沃化に伴ない、例えば土壌pHは塩基高蓄積状態では、施肥Nの影響よりは塩基飽和度によって左右されていた。  一方、塩基低蓄積状態では塩基飽和度のみならず、硝酸化成を通じ、施肥Nの影響を強く受けていた。


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