農業研究本部

ばれいしょの育種における交配母本の実用形質が後代の選抜に及ぼす影響

村上 紀夫、浅間 和夫、伊藤 平一、伊藤 武

北海道立農試集報.44,37-46 (1980)

 1957年~1977年にわたって、北海道立根釧農業試験場のばれいしょ育種事業において、供試した交配母本の実用形質が、後代の選抜に及ぼす影響を明らかにしようとした。  育種目標を「紅丸」、「農林1号」および「エニワ」などのでん粉収量より多収な品種の育成においたため、父本としては「WB60015-7」、「Hochprozentige」および「エニワ」の使用回数が多かった。  特に、「エニワ」を父本とする組合せにおいて後代の選抜率が高く、この品種は優良な交配親といえよう。また、両親の熟期をみると、「晩生種」×「晩生種」が全体の3分の2を占め、ついで、「早生種」×「晩生種」か多かった。  両親平均の実用形質の値は系統選抜における選抜後代のその形質の値の大小との間に密接な関連性のあることを認めた。さらに、両親平均値に比較して、熟期か早く、上いも収量、でん粉価あるいはでん粉収量か勝る後代が多く出現した組合せを明らかにした。


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