農業研究本部

天北地方におけるペレニアルライグラスの越冬性と晩秋季収量の品種間差異

手塚 光明、古明地 通孝

北海道立農試集報.44,52-61 (1980)

 天北地方におけるペレニアルライグラス品種の適応性を検討するため海外から導入した品種について越冬性ならびに収量を調査した。  個体植え試験では、ほとんどの品種が秋に多肥して繁ぱんに刈取ると越冬性が悪くなる傾向がみられた。  カナダおよびフィンランドの高緯度寒冷地産の2倍体品種は、越冬性が最も良好で秋の肥培管理法による変化も少なかったが、晩秋季収量は低収であった。  密条播試験では、年次変動はあるか4倍体品種において晩秋季収量が多収な品種は越冬性か劣る傾向が認められた。2倍体品種および4倍体品種ともに今後求められる特性は晩秋季収量を低下させずに越冬性、永続性を向上させることであろう。  一方、冬損多発年次では越冬性の良否か品種の収量に強く影響し多くの4倍体品種は2倍体品種より越冬性が良く多収で永続性もすぐすれていた。


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