農業研究本部

チモシー新品種「クンプウ」の育成について

増谷 哲雄、古谷 政道、樋口 誠一郎、筒井 佐喜雄、植田 精一

北海道立農試集報.45,101-113 (1981)

 チモシー「クンプウ」は1972年より1979年にかけて北海道立北見農業試験場牧草育種指定試験地で育成された極早生採草用品種である。  1977年から3年間「北見11号」の系統名で各種検定試験に供し、これらの成績により1980年6月農林水産省に新品種(チモシー農林4号)として登録された。  本品種は北海道在来種2系統および導入品種1品種から母系選抜法により育成された。  本品種のもっとも重要な特性は従来の品種にはみられない極早生の熟期であり、出穂期は現在栽培されている早生品種より8日程度早い。年間収量は早生品種「センポク」とほぼ同水準にあるが、後期番草の収量が多い。越冬性および各種病害抵抗性については、「センポク」並か、わずかに劣る場合もあるが、実用栽培上問題となるほどの差ではない。  本品種は北海道全域および東北地方北部に適応する。他品種との適宜配合により刈取り適期の延長に栽培をすすめたい。


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