農業研究本部

根釧地方の混播放牧草地におけるチモシー品種の収量と競合力の比較

能代 昌雄、小関 純一、平島 利昭

北海道立農試集報.46,22-29 (1981)

 出穂期およぴ草型の異なるチモシー4品種について,各単播およびこれらとラジノクローバ,またはシロクローバを混播した場合の収量およぴ混生比率を比較した。チモシー品種間の収量差は単播では比較的小さかった。晩生でほふく型の「ハイデミー」と「ホクシュウ」では,各々の単播の収量に対するシロクローバと混播した収量の比率が低く,この比率は経年的に減少する傾向を示した。しかし,早生で直立型の「センポク」と「クンプウ」では同比率が高く維持された。一方,ラジノクローバとの混播では,いずれのチモシー品種も3番草以降で著しく抑制された。またシロクローバとの混播では,チモシー収量のピークは6月と8月の施肥によって夏または秋に移行し,とくに早生で直立型の品種では季節生産性が良好であった。従って,チモシー主体混播放牧草地では,早生で直立型のチモシー品種とシロクローバの組み合わせによって,チモシーの構成割合を高く維持することが可能と思われた。


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