農業研究本部

北海道の耐冷性稲品種に関する母本能力の検定

佐々木 多喜雄

北海道立農試集報.46,51-60 (1981)

 共通母本として,良質,短・強稈系統「道北28号」を用い,父本に耐冷性品種「はやゆき」,「道北糯18号上「ささほなみ」および「マツマエ」を供試した。P1,P2,F2およびF3各集団の平均値および分散推定値より,両親の遺伝的平均値および遺伝子の相加的効果による遺伝分散を得た。これらより,選抜強度5%の効果を,耐冷性および品質など8形質について検討した。試供4品種の母本(交雑親)能力の概要は次のようであった。「はやゆき」:耐冷性および早生化への能力が高く,片親に良質および短・強稈品種を用いることにより,良質および短稈化への効果が著しく大きかった。「道北糯18号」:「はやゆき」についで耐冷性の能力は高いが,短稈,短穂および小粒化の方向性が高かった。「ささほなみ」:耐冷性への能力は低く,早生化の能力が高かった。「マツマ工」:耐冷性への能力はやや高いが,大粒および円粒化の傾向が強かった。


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