農業研究本部

タマネギ畑への輪作導入に関する土壌微生物的検討

東田 修司、大崎 亥佐雄、成田 保三郎

北海道立農試集報.48,1-9 (1982)

 北見地方の農家圃場3ケ所で、5ケ年にわたりタマネギ畑にてん菜、とうもろこし春播小麦の3作物を導入しこれらとタマネギを組み合せた2年輪作を1サイクルまたは2サイクル行った。  その結果、導入作物により若干の相異はあるが、輪作によって乾腐病(病原菌:Fusarium oxysporum f.sp.cepae・・・以下F.oxy.と略)が減少し、規格内球数が確保されるので増収となった。  土壌微生物相の調査の結果、導入作物作付け時点では導入作物根圏の一般微生物数がタマネギ(連作)根圏に比べ増加しており、翌年のタマネギ栽培下においても輪作導入区の一般微生物数増加が著しかった。  土壌中のF.oxy.数には輪作導入の影響が顕著に認められなかったが、タマネギ茎盤からのF.oxy.分離率、およびそのタマネギ鱗片に対する病原性を見たところ、輪作導入区では全般に病原性の強いF.oxy.の出現頻度が低下していた。  またタマネギ根のTTC還元活性は輪作導入により高まっていた。


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