農業研究本部

強粘質畑土壌の物理性に及ぼすもみがら、資材施用の影響について

小林 茂、平井 義孝

北海道立農試集報.48,10-19 (1982)

 強粘質畑土壌に破砕もみがら堆積物(もみがら堆肥)と生のもみがらを施用し、土壌の物理・工学的性質の変化からその改善効果について検討した。  その結果、両資材とも粒径20㎜以下の砕土率が対照土壌より約20%高まり,液性限界及び塑性指数も高まったことから、ロータリー耕の走行可能範囲は塑性域の高水分側に廷長された。またもみがら資材施用土壌は塑性域において圧砕強度が高くコーン荷重は減少した。  この理由は施用したもみがら資材を支持する土壌粒子(粒団)の応力に対する抵抗が両者で異なることに基因する。それ故全塑性域における農業用機械類走行の際の耐踏圧や、耕起砕土性向上の可能性をうかがわせた。さらに土壌の毛管孔隙量(pF1.5~2.7)の増加によって保水性が高まり、干ばつの時のほ場での水分条件が改善された。  凝集力については土壌本来の固結度曲線の変異点と、もみがら資材組織内水分の脱水に基づく変異点が認められこれらはいづれもpF4.2、4.5と比較的高張力水分域であった。


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