農業研究本部

Phytophthora megasperma var. sojae Hidebrandによるダイズの茎疫病

土屋 貞夫

北海道立農試集報.48,46-55 (1982)

 Phytophthora属菌に起因するダイズの立枯性病害が1977年北海道池田町で発見され、その後、北海道は勿論、東北、中部地方でも発生が認められるにおよび、転作ダイズの重要病害として問題になってきた。  本病は発芽間もない6月上・中旬ころから収穫期近くまで発生し、幼苗期には胚軸が水浸状を呈し、早期に萎ちよう、枯死する。開花期以降の発病株では主に地下部や地際の茎が侵され、発病部位が褐色から暗褐色となり、下位葉から黄化する。  病原菌はダイズに対してのみ特異的に強い病原性を有し、また、培養性質および菌の形態学的諸性質もダイズのroot and stalk rotの病原菌と一致したので.本病の病原菌はPhytophthora megasperma var.sojae Hildeandと同定された。  採集地の異なる分離菌l3菌株をダイズ24品種に接種した結果、供試菌すぺてに抵抗性の品種は認められなかった。  菌株により品種に対する反応が異なり、レースの存在が推定された。


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