えん豆新品種「北海赤花」の育成について
佐藤 久泰、古明地 通孝、後木 利三 及川 邦男、越智 弘明
北海道立農試集報.48,64-74 (1982)
えん豆新品種「北海赤花」は、1964年に北海道立十勝農業試験場で、赤えん豆の短桿、良質、多収品種の育成を目標として、「十育l6号」を母に、在来種の「赤えん豆(中札内)」を父として人工交配した後代より育成したものである。 F1以降北海道立北見農業試験場で養成、選抜が続けられ、F10より「北育B-2号」の系統名で、生産力検定試験、F11以降は地域適応性検定試験、育成系統比較現地試験、特性検定試験などが継続された。 その結果本系統の短桿、良質、安定多収性が認められ、1978年3月に北海道の奨励品種に決定し、「北海赤花」と命名された。 主要特性は、草丈が80㎝程度の倭性種で、分枝数が多く、着莢数はとくに多くないが、一莢内粒数が多い。粒大は在来種に似るが、粒色はやや緑色を帯びる赤えん豆種で、収量は在来種より20~30%多収である。栽培適地は全道一円であるが、上川、十勝でとくに多収を示す。
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