窒素・りん酸肥沃度に対応したタマネギの窒素施肥法
相馬 暁、岩渕 晴郎、多賀 辰義
北海道立農試集報.50,1-12 (1983)
タマネギに対する施肥Nの適量は,土壌のN肥沃度のみならず,P肥沃度の影響を受けている。すなわち,N肥沃度の高い土壌(高N)でのN増肥は,過剰の無機態Nを土壌中に供給し,生育初期の濃度障害,P吸収の抑制,生育後半のN過剰吸収を引き起こす。そのためP肥沃度の低い土壌(低P)では全期間を通じ,生育・球肥大が不良となり,著しく収量を低下させる。それが土壌の高P化により,P吸収が補償され,生育量が増大するため,体内N濃度も稀釈され,N過剰状態が緩和される。一方、低N土壌でのN増肥はP増肥を伴って,はじめて効果が発現し,高P化のみでは体内稀釈的にN濃度が低下し,生育後半の栄養生長が停滞する。これらの結果から,N・P肥沃度の対応したタマネギに対するN施肥量(10a当り成分量)を,
1.低P高N土壌:10kg,
2.中P高N土壌:10kg,
3.高P高N土壌10~15kg,
4.低P中N土壌:10~15kg,
5.中P中N士壌:15kg,
6.高P中N土壌:15~20kg,
7.低P高N土壌:15~20kg,
8.中P低N土壌:20kg,
9.高P低N土壌:20~25kg
と決定した。
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