農業研究本部

大豆の雑種初期世代における最下着莢高の選抜

土屋 武彦、砂田 喜与志

北海道立農試集報.50,69-75 (1983)

 大豆の無限または半無限伸育型品種と有限伸育型品種間の雑種初期世代における最下着莢高,ならびに最下着莢高の選抜が他形質におよぼす影響を検討した。 

1.F2における最下着莢高の頻度分布は,各組合せとも正規分布に類似し,この形質の遺伝が量的であることを示した。
2.最下着莢高と開花期,成熱期,主茎長および主茎節数の間では正の高い相関が認められる。
3.最下着莢高と伸育率および裂莢率との間では相関係数が低いので,伸育型や難裂莢性にこだわることなく最下着莢高を高め得ると推察される。
4.最下着莢高による選抜の効果は明らかで,最下着莢高を高める選抜では成熟期が遅れ,長茎化する傾向がみられるが,収量形質への影響は小さいので減収することなく最下着莢高を高め得る。 

以上のことが明らかとなった。


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