農業研究本部

火山灰草地における土壌の可給態りん酸の定量法と適正基準値の設定に関する研究

大村 邦男、赤城 仰哉

北海道立農試集報.51,61-72 (1984)

 根釧地方の黒色火山性土における草地のりん酸肥沃度の指標を得るために,土壌分析試料の採取位置の検討,可給態りん酸の定量法および牧草生育に必要な土壌りん酸量の適正基準値の設定について試験を行った。りん酸肥沃度を判定する場合の土壌試料の採取位置は,32Pりん酸液を用いた牧草根の活力分布調査結果から,0~5cmが適当と判断された。可給態りん酸の定量法の中で A-valueとの相関が高かった分析法は Morgan法, Bray No.2法であった。また,肥料効率の指標となるF/S値からは,Bray No.2法が適当な分析法と考えられた。正常な牧草生育を得るための下限値は,Bray No.2法で20mg/100gで,この値はF/S値の20に相当した。また,草地の高位安定生産を確保するには,Bray No.2法で40mg/100gの土壌りん酸が必要である。


全文(PDF)