農業研究本部

チモシー品種の生育と乾物消化率に及ぼす窒素施肥と土壌の影響

古谷 政道、増谷 哲雄、筒井 佐喜雄

北海道立農試集報.52,12-24 (1985)

 チモシー品種の環境適応性に関する試験の一環として,主に近年我が国で育成された品種と北海道網走地方に普通に見られる3種類の土壌を供試し,土壌の違いによるチモシー品種の生育と乾物消化率の差異を検討し,併せて窒素施肥の影響を検討した。1・2番草合計収量において窒素施肥と品種及び土壌と品種の交互作用は有意性を示し,供試5品種の窒素施肥や土壌に対する反応は明らかに異なった。この結果クンプウ,ノサップは集約的な多肥栽培条件下で能カを発揮する品種と考えられ,センポクは比較的粗放な肥培管理下においても安定した生育を示す品種と考えられた。この生育の違いは品種母材の生育環境の差と考えられ,チモシー品種の分化の程度はかなり大きいものと推測された。乾物消化率,粗蛋白質は窒素施肥により増加し,窒素施肥や土壌の違いにより品種の反応は異なった。チモシーの品質は肥培管理や土壌の違いにより変動することか推測された。


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