農業研究本部

道東草地酪農地帯の乳牛牧場14年間の繁殖成績について

上村 俊一、尾上 貞雄、高橋 雅信、五ノ井 幸男、八田 忠雄、塚本 達

北海道立農試集報.53,1-8 (1985)

 乳牛の繁殖と泌乳,飼養管理との関連について,道東草地酪農地帯の乳牛牧場(北海道立根釧農業試験場試験牛舎)14年間の繁殖成績により検討した。ホルスタイン雌牛183頭,延べ597分娩例の調査から得られた平均的繁殖状況は,分娩後66日目に初回の人工授精を行い,受胎までの授精回数が2.4回で受胎日が分娩後126日目であり,妊娠期間は283日間であった。また調査時廃用となった130頭の産歴は平均4.1産で,廃用理由は乳量・体型等の資質不良,乳房炎,不妊症によるものが全体の2/3を占めた。一方,乳量と繁殖の関係では,概して乳量が多いと分娩後受胎までの日数も長かった。特に初産,2産後で分娩後受胎までの目数が有意に長くなった。一方,乳量が産次平均+標準偏差以上に達する牛群では,青草主体の放牧期に人工授精したものがサイレージ主体の舎飼期実施のものより分娩後受胎までの日数が延びる傾向にあった。


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