パイプライン搾乳機における配管内の真空度低下に関する研究
笹島克己
北海道立農試集報.53,93-101 (1985)
真空配管として水道用亜鉛めっき鋼管呼び径20A,25A,32Aおよび硬質塩化ビニル管25Aを用いた結果,直状配管における摩擦係数は各々0.017,0.015,0.014,0.016であった。牛乳配管内径を2.9,3.4,4.2cmφとした30~50頭搾乳設備において,配管勾配を変えた結果,管内径および勾配が大きい程配管内の真空度低下は小さく,4.2cmφで水の流量が20l/minの時,水平で2.0cmHgの低下があったが,5/1000,10/1000では低下は無かった。また,配管の両側に落差40cmのアーチ形配管を設けると水の流量が約15l/minまでは2.1~2.6cmHgの低下であり,片側のみでは,流量20l/minの時,アーチ形配管の無い場合に比し0.5~1cmHg低下が大きかった。真空ポンプ排気量を大きくするとミルクタップからの空気流入時の真空度低下は少なく,市販11機種では流入時間1~2秒間で3~5cmHgの低下であった。市販搾乳部1台当りの空気消費量は23~48l/minであった。
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