農業研究本部

水稲新品種「ゆきひかり」の育成について

和田 定、江部 康成、森村 克美、江川 勇雄、前田 博、佐々木 忠雄、菊地 治己、新井 利直、本間 昭、山崎 信弘

北海道立農試集報.54,57-70 (1986)

 水稲「ゆきひかり」は,1974年に北海道立中央農業試験場で交配した「(北海230号×巴まさり)×空育99号」の雑種後代から育成され,1984年3月に北海道の奨励品種に採用された(系統名:空育114号)。特性の概要は次のとおりである。出穂期は,「キタヒカリ」より2~3日早く中生の早に属する。稈長,穂長は「キタヒカリ」とほぼ同じである。草姿はよく止葉は立つ。ふ先は短芒を有し,黄白色。いもち病耐病性は中。障害型耐冷性は強で「キタヒカリ」より強い。稈質は中で,「キタヒカリ」より弱い。食味は「キタヒカリ」を上回る。玄米収量は「キタヒカリ」にまさるが,「ともゆたか」に比べると少収である。以上の特性からみて,本種は北海道の中央部向きに推奨できる。


全文(PDF)