ダイズの最下着莢位置の年次および栽植密度による変動
土屋 武彦、紙谷 元一、佐々木 紘一
北海道立農試集報.55,13-21 (1986)
ダイズ品種の最下着莢位置を検討し,つぎのことを認めた。
1.最下着莢位置は年次間で変動し,低温年,とくに開花までの積算気温が少ない年次に低下する。
2.下位着莢率は第1節から高まるにつれ指数関数的に増加し,回帰式はlog y=0.095x-0.872で示される(ただし,y(%):下位着莢率,x(cm):第1節からの高さ,0≦x≦25)。
3.収穫機の刈刃の高さが第1節から10cm以下では収穫損失が極めて少なくなるが,15cm以上では品種や年次によって収穫損失が増大する。
また,8.3~66.7本/m2の範囲における栽植密度と最下着莢位置との関係を検討した。
1.最下着莢位置は密植で高まり,回帰式はy=2.123x+3.460で示される(ただし,y(cm):最下着莢節位高,x(√本/m2):栽植密度の平方根)。
2.密植栽培により最下着莢位置を高めようとする場合は,個体間の競合によって節間が伸長し倒伏が増大するので,供試品種の耐倒伏性が重要である。
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