農業研究本部

バーク堆肥の窒素肥効と畑作物の生育収量に及ぼす影響

今野 一男、平井 義孝、東田 修司

北海道立農試集報.55,33-43 (1986)

 バーク堆肥の窒素形態は,普通堆肥と比較して易分解性窒素画分が少なく,難分解性窒素画分は多かった。バーク堆肥窒素の無機化は,針葉樹バ一クではC/N比30~35以下,広葉樹バークではC/N比20~25以下で認められた。窒素無機化率は両樹種ともC/N比15~16の場合4~5%であった。バーク堆肥の窒素肥効は,無機態窒素十無機化窒素(30℃,12週間培養)と密接な関係を示した。針葉樹バ-ク堆肥(C/N比18~25)の窒素の利用率は0~4%程度であり,広葉樹バーク堆肥や普通堆肥よりも小さい。バーク堆肥の施用が作物生育に及ぼす影響は窒素肥効によって相違し,概ねC/N比の低いものほど増収効果は高かった。初期生育促進効果は両樹種とも共通して認められ,吸収窒素の生産効率も高まる傾向であった。また,バーク堆肥の施用効果は窒素肥効のほか,土壌の理化学性の改善効果も期待することができる。


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