農業研究本部

ダイズ矮化病抵抗性の育種的研究
V.大豆品種「ツルコガネ」の抵抗性程度

谷村 吉光、番場 宏治

北海道立農試集報.56,83-92 (1987)

 「ツルコガネ」のダイズ矮化病に対する抵抗性について自然感染による発病時期別および人工接種による接種時期別の両面から検討した。  自然感染による発病率は品種間,アブラムシ防除の有無で異なった。「ツルコガネ」の発病率は「ユウヅル」および「キタホマレ」に比べて著しく低く,また,「ツルコガネ」のアブラムシ無防除区の発病率は「ユウヅル」および「キタホマレ」の防除区の発病率とほぼ同じ値を示した。本病が大豆の生育および子実重におよぼす影響は品種間差がみられ,「ツルコガネ」は「ユウヅル」および「キタホマレ」に比べて被害程度が小さかった。発病および接種時期別の被害程度は7月下旬以降の発病,7月中旬以降の接種でやや小さくなる傾向がみられたが大きな差ではなかった。これらのことから「ツルコガネ」は本病に対してほ場抵抗性を有するものと考えられ,本病の発生地域では積極的に栽培を進める。


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