秋播小麦の雪腐病抵抗性と耐凍性育種
電気伝導度法による秋播小麦の耐凍性選抜
天野 洋一
北海道立農試集報.56,31-38 (1987)
秋播小麦の耐凍性検定方法として、古くDexter et al.(l932)3〕が提唱した電気伝導度法を実際の耐凍性選抜に適用する方法について検討した。 訓子府で11月中旬まで低温順化された小麦は、11.5℃から凍結被害が現われ、-18℃以下になると強品種にも被害が増大した。最適な15℃の凍結温度では、0.5~2.0gのサンプルで十分検定が可能であった。 冠部凍結法との間にはr=0.87**~0.93(n=8)、0.768***(n=24)と高い相関が認められた。 交雑材料を用いた実験の電気伝導度は組合せ間、系統間に有意性が顕著にみられ、“Moscow l”を親とする組合せからだけ、“Moscow 1”並の耐凍性系統が5%の頻度で認められた。 個体選抜では極強品種“Valujevskaja”並のものが冠部凍結法から5%、電気伝導度法から15%認められた。両方法の関係はr=0.704***(n=103)と有意に高く、耐凍性個体のスクリーニングにも有効な方法と考えられた。
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