トウモロコシ新親品種「To15」の育成について
戸沢 英男、仲野 博之、長谷川 寿保、国井 輝男、千葉 茂行、高宮 泰宏、桑畠 昭吉
北海道立農試集報.57,25-33 (1988)
トウモロコシ新親品種、自殖系統「To15」は、実用的な採種性を前提として、低温発芽性および耐倒伏性を第1目標に、初期生長性および高組合せ能力を第2目標にして育成した。 1964年に十勝農業試験場において北海道の北方型フリント種の在来種「黄早生」に「坂下種」と「山本種」の混合した花粉を人工交配し、以降選抜と固定をはかったものである。 本系統の熟期は中生に属し、低温発芽性、初期生長性、耐倒伏性、耐病性および採種性に優れ、また組合せ能力が高い。本系統は1972年に「To15」の固定系統名が付された。 その後「To15」が構成系統となっている複交雑品種「ワセホマレ」および「ダイヘイゲン」が農林登録されることなどによって、本系統の寒地における高い実用性が次々と実証された。 また、1984年には我国最初のトウモロコシ新親品種「とうもろこし農林交親24号」として農林登録された。
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