農業研究本部

水稲新品種「上育393号」の育成について

佐々木 一男、柳川 忠男、相川 宗厳、佐々木 多喜雄、沼尾 吉則

北海道立農試集報.58,1-11 (1988)

 「上育393号」は、1977年に北海道立上川農業試験場で交配した「キタヒカリ/永系7659」の雑種後代から育成され、1986年2月、北海道の奨励品種に採用された。特性の概要は次のとおりである。  出穂期、成熟期はともに「早生の中」。やや短稈の偏穂数型で、ふ先色は黄白、無芒である。障害型耐冷性はやや強~強、いもち病耐病性は中~やや強で真性抵抗性遺伝子Pi-a、kをもつと推定される。  耐倒伏性は中~やや強、玄米収量は「はやこがね」に優り、「キタアケ」並である。玄米品質・食味は「キタアケ」「ともひかり」を上回り、「ゆきひかり」に近い。  以上の特性からみて、本種は、上川北部、網走支庁管内およびこれに準ずる地帯の「はやこがね」「キタアケ」に替えて推奨できる。


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